今の形になったのはいつ頃? トラック誕生までの世界の歴史

現在、トラックは流通に欠かせない乗り物となっており、世界中で活躍しています。では、トラックが誕生する前の世界は、どのような大量輸送手段を用いていたのでしょうか。


地球上で車輪のついた箱=荷車が発明されたのは、紀元前3000年頃のメソポタミア文明だとされています。紀元前2500年頃のシュメール文明では、馬やロバなどに引かせる荷車が使われていました。これが、人間以外の動力を使った車の元祖と考えていいでしょう。



そこからずっと時代を下って1599年、オランダの軍事技術者シモン・ステヴィンが帆走車を発明しました。これは、帆船のように帆で風を受けて走るという、人間でも動物でもない動力を使った車です。28人の乗客を乗せて時速24kmで走ったといわれていますが、当然ながら細かいコントロールは不可能で、実用化はできませんでした。



やがて産業革命が到来すると、1765年にイギリスのジェームス・ワットが蒸気機関を実用化。その後、フランスやイギリスで蒸気自動車が開発されますが、いずれも実用的なものではありませんでした。1886年には、ドイツのカール・ベンツが本格的なガソリン自動車の開発に成功。1908年にはアメリカのフォードの名車「T型フォード」が登場し、1500万台以上も生産され、ガソリン車が庶民にまで普及しました。


そして1896年、ついにドイツのダイムラーがトラックを製造。「物品輸送に特化したガソリン車」が人類史に登場します。その後、トレーラーやディーゼル車の開発を経て、トラックは現在の形へと進歩していったのです。