自転車保険加入義務化からもうすぐ1年。 義務化の背景にあるものとは?

東京都で自転車保険の加入が義務化されてから、2021年4月で1年が経ちます。2015年に兵庫県で義務化されて以来、全国の自治体で義務化の動きが広がっていますが、みなさんはすでに加入していらっしゃいますでしょうか? 


これから始まる新生活に向けて自転車を用意しているなら、義務化を取り巻く事情や補償内容について知っておくのがおすすめです。



実は、今になって自転車保険の義務化が進んでいる背景には、自転車事故の増加と損害賠償の高額化があります。近年では、交通事故における自転車事故の比率が以前より高くなっており、ニュースで取り上げられることも増えました。加害者に高額の損害賠償を命じる判決も多く、小学生の起こした自転車事故で、賠償額が1億円近くになった事例すらあります。


ところが、自転車は自動車と異なり、保険に加入していない人が多数派でした。そのため、万が一の時に高額の損害賠償に対応できるよう、自転車保険への加入を義務化する動きが出てきたのです。現在、15都府県と8政令指定都市が加入を義務化しており、努力義務も含めると過半数の都道府県が政令を制定しています。ちなみに、その地域に居住していなくても、走行するだけで加入を義務づけられるのが基本です。



では、具体的にどのような保険に加入していればいいのでしょうか? 各自治体が条例で定めているのは、いわゆる個人賠償責任保険(加害事故を起こした時に被害者に補償するための保険)への加入です。名目が自転車保険である必要はありませんが、高額の損害賠償に対応できるよう、補償金額は2億円以上が望ましいでしょう。家族全員で加入できるタイプのものならより安心です。


車と自転車、異なるところはありますが、1人1人が意識して交通事故防止に努めなければならない点に違いはありません。翼でも、安全には最大限に配慮して業務を行う所存です。